芸術(アート)がまちにひょっこりと顔を出したら、どんなおもしろいことが起きるのでしょう?

「アートアクセスあだち 音まち千住の縁(通称:音まち)」10年目特別記念、アーティスト・クロストーク企画の第2弾では、いまやまちの風物詩にもなっている「Memorial Rebirth 千住」を取り上げます。

現代美術シーンを代表する作家であり、繊細かつダイナミックな作品を次々と発表している現代美術家の大巻伸嗣。その一方で、2011年から東京都足立区を舞台に、市民の方々と共に継続して作品づくりに取り組んでいることをご存じでしょうか?

そのメインとなるプロジェクト名は「Memorial Rebirth 千住(通称:メモリバ)」。
無数のシャボン玉で見慣れたまちを一瞬にして光の風景へと変貌させるアートパフォーマンス「Memorial Rebirth」は、2008年の横浜トリエンナーレを皮切りに国内のみならず世界で実施されている大巻さんの代表作の1つですが、特定の地域で市民とともに10年も続け、今や約200人が関わるムーブメントになっているのは、足立区・千住地域から始まった千住のメモリバだけです。

いったい、大巻さんはなぜ、足立区という地域にこだわって作品を作り続けているのでしょうか
まちに暮らす人々は、突如やってきた「アート」をいかに受け止め、なぜ関わっているのでしょうか?
アートによって、まちやまちの人々にどんな化学反応が起きているのでしょうか?

この不思議をひも解く対談相手として、アーティストとして国際的に活躍したのちに地域での活動をスタートさせた、NPO法人BEPPU PROJECT代表理事の山出淳也さんをお迎えします。今回は「第33回 国民文化祭・おおいた2018」において、大分県日田市に大巻さんの作品を招聘し、市民とともに作品展示を実現させた際のできごとからお話しいただきます。

さらに、両プロジェクトに欠かせない市民運営メンバーの皆さんも登場予定。今だから言えるホンネも聞けるかも?!

「アートなんてわかんねぇ!」という声がリアルに飛び交う地域の中で、大巻さんそして山出さんは、アーティストとしていったい「地域」に何を見出し、関わり続けているのか。
アートがまちに入り込むことのおもしろさを、存分に語り合いましょう。

▶ 概要
日 時:10月18日(日)17:00〜19:00
出 演:大巻 伸嗣(現代美術家/Memorial Rebirth 千住 ディレクター)、山出 淳也(BEPPU PROJECT代表理事/アーティスト)
進 行:森 司(アーツカウンシル東京 東京アートポイント計画 ディレクター)
解 説:熊倉 純子(東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科教授)
特別ゲスト:千住のメモリバを支える市民チーム「大巻電機K.K.」の皆さん、「水郷ひた芸術文化祭2018」市民スタッフ
視聴料:無料(通信料はご負担ください)
視聴方法:音まちYouTubeChannelからライブ配信
https://www.youtube.com/user/otomachisenju
※ 内容は変更となる場合がございます。予めご了承ください。

▶登壇者プロフィール
大巻 伸嗣
1971 年岐阜県生まれ。東京藝術大学美術学部彫刻科教授。アジアパシフィックトリエンナーレや横浜トリエンナーレ2008、エルメス セーヴル店(パリ)、アジアンアートビエンナーレなど世界中の芸術祭や美術館・ギャラリーでの展覧会に参加している。展示空間を非日常的な世界に生まれ変わらせ、鑑賞者の身体的な感覚を呼び覚ますダイナミックな作品《Liminal Air》《Memorial Rebirth》《Echoes》を発表している。
http://www.shinjiohmaki.net

山出 淳也
1970年生まれ。NPO法人 BEPPU PROJECT 代表理事/アーティスト。文化庁在外研修員としてパリに滞在(2002〜04)。アーティストとして国際的に活躍した後、2004年に帰国。2005年にBEPPU PROJECTを立ち上げ現在にいたる。
混浴温泉世界実行委員会 総合プロデューサー(2009〜)/第33回国民文化祭・おおいた 市町村事業 アドバイザー/文化庁 審議会 文化政策部会 委員(第14期〜16期)/グッドデザイン賞 審査委員(2019年〜)/山口ゆめ回廊博覧会コンダクター(2019年~)/平成20年度 芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞(芸術振興部門)

▶︎「Memorial Rebirth 千住」とは
1分間に最大1万個のシャボン玉を生み出す装置を数十個並べて、無数のシャボン玉で見慣れたまちを一瞬にして光の風景へと変貌させる現代美術家の大巻伸嗣のアートパフォーマンス、Memorial Rebirth(通称:メモリバ)。
千住では、2012年3月にいろは通りから始まり、区内の小学校や公園など毎年場所を変えながらリレーのバトンのように手渡されてきました。その過程で、オリジナルの盆踊り「しゃボンおどり」が誕生したり、歌詞ができたり、夜空にシャボン玉を飛ばす「夜の部」が始まったりと、その形を変えながら、まちの様々な記憶と人をつないでいます。
<千住のメモリバ特設サイト>
https://aaasenju3.wixsite.com/mrshabonodori

▶︎「アーティスト・クロストーク」について
2020年度に活動10年目を迎える「アートアクセスあだち 音まち千住の縁(通称:音まち)」が企画するトークシリーズです。これまで「音まち」に長く関わってくださったアーティストの方々と、活動の垣根を超えた様々なゲストとが雑談のように語らいながら、トークテーマを掘り下げていきます。

主催:東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京、東京藝術大学音楽学部・大学院国際芸術創造研究科、特定非営利活動法人音まち計画、足立区
※ 本事業は「東京アートポイント計画」として実施しています。