「ヴァーチャル・ボディ:メディアにおける存在と不在」展では、日本、チリ、中国、ドイツ、メキシコ、そしてアメリカを拠点に活動する14名のアーティストが、ポストコロナの時代について「ヴァーチャリティ」をテーマに考察します。新型コロナ感染拡大は、身の回りの世界との関係性や自己という概念に多大な影響を与えています。現代社会におけるデジタル・メディアの領域では、SNSにおける二極化やフェイクニュースの政治的利用が多発しています。しかし、仕事や教育の場をはじめ、人との関わりによって成り立っている私たちの日常生活では、オンライン・コミュニケーション・ツールや各種メディアは不可欠な存在となりつつあります。こうした状況のなかで意識せざるを得ないのは、健常性、年齢、社会階級、ジェンダー、人種、スピリチュアリティや精神性を抱える私たちの身体そのものではないでしょうか。同時に、多様な可能性を提示する「体(ボディ)」という概念は、他の「体」と共生する未来を想像させます。それは動物や植物、テクノロジーやデジタル・ゴーストとの関わりのなかで、人間という姿形が解体されていくことを示しているのかもしれません。

ヴァーチャル・ボディ:メディアにおける存在と不在

会期:2022年3月25日(金) -4月10日(日)午後10時 - 午後5時(入館は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日
会場:東京藝術大学大学美術館 陳列館
観覧料:無料(事前予約制
主催:東京藝術大学国際芸術創造研究科
共催:一般財団法人カルチャー・ヴィジョン・ジャパン
助成:藝大フレンズ賛助金、公益財団法人野村財団
監修:長谷川祐子(東京藝術大学教授、金沢21世紀美術館館長)
共同キュレーター:アリウェン、平河伴菜、閻喜月、張琳、鄒林希、呉昱衡、チョ・ヘス、金宣
(東京藝術大学大学 大学院 国際芸術創造研究科アートプロデュース専攻キュレーション領域 修士課程在籍生、 長谷川祐子教授授業科目「アートプロデュース演習|キュレーションI」履修生)
特別協力:下向智也、李静文
グラフィックデザイン:邵琪

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