グローバル時代のアートプロジェクトを担うマネジメント人材育成事業「&Geidai」国際編
特別講演会:グローバル時代の芸術文化概論
胡昉 フー・ファン
「意図なき空間にむけて:今日のアートのための空間における可能性」

東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科アートプロデュース専攻では、このたび、中国・広州と北京の2都市に所在するアート・スペース「Vitamin Creative Space」と「The Pavillion」の共同設立者・芸術監督であり、国際的に活躍めざましいキュレーターで小説家でもある胡昉(フー・ファン)をお招きし、一般公開の特別講演会を開催いたします。入場無料、日英通訳有り、予約不要。ふるって聴講ください。

本レクチャーは、胡昉(フー・ファン)が、人生の旅の途中で見つけたある暗示に従い、地理的にも文化的にも互いに遠くかけ離れているように見える、ふたつの空間の原型(アーキタイプ)をいかに再接続させうるかを探る試みです。そのふたつの空間の原型とは、オーストリアで展開されてきた、永続可能な自然農法のプロトタイプとなる場「クラメテルホフ」と、構築された自然のプロトタイプとなる場としての中国式庭園です。この再接続の試みは、翻って、今日のアートにおける空間の持つ潜在的な可能性についての思索へと、私たちを導いてくれます。
「今日のアートにおける空間」──それは、エネルギーの流れと成長のプロセスに焦点を当てるための場、日々の滋養と鍛錬にフォーカスするための場であり、また、他者への配慮を実践し感受性を活かすための空間を準備する場、自らを取り巻く環境から乖離する代わりに、時間と「生」の持つ複数の次元に向かって永続的に開放されていようと願う場でもあります。そうであるならば、その場がクラメテルホフであろうと、中国式庭園、あるいはどこか他の、私たちが現在理解可能な範囲をすり抜けてしまう重要性を持った、より潜在的な空間の原型となる場であろうとも、すべての場は、「アートの空間」における密接な関わり合いへの、より根源的な連関を展開していくでしょう。
関係と動力学に向かう受容性を、ある種の日々の鍛錬によって耕し、人々と空間が互いの生の様式を交換し合う状態を目指して、そのような空間の持つ「生」は、さまざまな形態の人生との恒常的な遭遇を通じて、維持されなければならないのです。

*入場無料。日英通訳有り。予約不要。定員260人。先着順。

日時:2017年11月11日(土) 15:00~17:00
場所:東京藝術大学 上野キャンパス 音楽学部 5-109教室

中国庭園の借景 Photo: Hu Fang

郑国谷(ゼン・グオグ) 了园(リャオ庭園) 2004〜 Photo: Zheng Guogu

LECTURER:
胡昉(フー・ファン)
HU Fang

フィクション・ライター、キュレーター。中国・広州/北京在住。広州「Vitamin Creative Space」および北京「The Pavillion」共同設立人・芸術監督。『ドクメンタ12 マガジンズ』(2007年)コーディネイティング・エディター、「横浜トリエンナーレ2008」コ・キュレーターなどとしてさまざまな国際的なプロジェクトに寄与する。著書に、Towards a Non-intentional Space (Vitamin Creative Space; Pap/Pmplt edition, 2016), Dear Navigator (Sternberg Press, 2014), Garden of Mirrored Flowers (Sternberg Press, 2011)など。

Photo: Michael Eddy

MODERATOR:
住友文彦
SUMITOMO Fumihiko

東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科准教授

 

hf_omote
hf_ura

 

主催:東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科アートプロデュース専攻
助成:平成29年度 文化庁 大学を活用した文化芸術推進事業
「グローバル時代のアートプロジェクトを担うマネジメント人材育成事業 『&Geidai』」
認定:東京藝術大学130周年(公式プログラム)

お問い合わせ:
東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科アートプロデュース専攻教員室
Tel: 050-5525-2725 (上野キャンパス内。月・木・金)
Tel: 050-5525-2732 (千住キャンパス内。火・水・金)
info-ga@ml.geidai.ac.jp
http://ga.geidai.ac.jp/