アートプロデュース概論(担当:枝川明敬教授)
特別講義

下記の通り、オンラインにて特別講義を開催いたします。

本講義は枝川明敬研究室の特別講義として行われますが、聴講希望を受け付けています。
聴講に関するお問い合わせは以下のアドレスへお願いいたします。
edagawa(at)ms.geidai.ac.jp(枝川明敏教授)


①『オールウェイズ・カミングホーム』のつくりかた
日時:2020年8月31日(月) 13:00~16:10
講師:滝口健先生

講義概要:2019年11月に上演された、日本とポーランドのアーティストによるコラボレーション『オールウェイズ・カミングホーム』(フェスティバル/トーキョー、アダム・ミツキェヴィチ・インスティテュート、TRワルシャワ劇場 共同制作)。ドラマトゥルクとして参加したこの作品の創作プロセスをたどりながら、インターカルチュラル・シアターの可能性とドラマトゥルクが果たしうる役割を考えます。

講師プロフィール:ドラマトゥルク、翻訳者。1999年から2016年までマレーシア、シンガポールに拠点を置き、シンガポール国立大学よりPhD取得。国際交流基金クアラルンプール日本文化センター副所長、劇団ネセサリーステージ(シンガポール)運営評議員、シンガポール国立大学英語英文学科演劇学専攻リサーチフェローなどを歴任するとともに、多数の国際共同制作演劇作品にも参加。近著にCurating Live Arts: Critical Perspectives, Essays, and Conversations on Theory and Practice (共著、edited by Dena Davida et. al., New York and Oxford: Berghahn Books, 2019)など。第1回BOHキャメロニアン・アーツアワード(マレーシア)特別賞受賞。現在、世田谷パブリックシアター勤務。

 

②現代演劇概論(演劇とは)
日時:2020年9月1日(火) 13:00~16:10
講師:高萩宏先生

講義概要:高萩先生は東京芸術劇場の副館長であり、海外の文化政策や劇場運営、日本での演劇の制作、公共劇場運営などを専門としていらっしゃいます。
本講義ではコロナ禍で、なんとか公演を続けようとする東京の演劇業界の状況報告を交えながら、業界化、国際化、地域化、専門化が遅れている東京の演劇の特異性、その問題点とそれだからこその強みなどを検証し、課題解決について考えます。また、日本の公共劇場運営、国際共同製作、日本における国際舞台芸術フェスティバル運営などについても共に考えてゆきます。

講師プロフィール:1953年4月7日東京生まれ。東京大学文学部卒。1976年、劇団夢の遊眠社創立に参加。退団後、英国での「ジャパン・フェスティバル91」、TOKYO演劇フェアなどに関わる。東京グローブ座支配人。1992年、米国コロンビア大学大学院アーツ・アドミニストレーション・プログラムに留学。1887年、世田谷パブリックシアター制作部長を経て現職。現在、全国公立文化施設協議会理事、多摩美術大学客員教授。日大芸術学部非常勤講師。著書「僕と演劇と夢の遊眠社」日本経済新聞出版社。東京芸術劇場副館長。

 

③高村光太郎の戦争賛美詩に見る芸術と美の危険性
日時:2020年9月3日(木) 13:00~16:10
講師:津上英輔先生

講義概要:『智恵子抄』,「道程」などの詩で知られる高村光太郎は(1883-1956)は,太平洋戦争中戦争を賛美する詩を多く書いた.彼は戦後これを反省し,岩手県花巻市郊外で独居自耕の生活の7年を過ごした.戦中の彼の過ちはどこにあったのか,そして戦後の反省点はどこにあったのか.美と芸術に本質的に潜む危険性を論じたい.

講師プロフィール:1955年東京生まれ.東京大学文学部および大学院で美学,フライブルク大学で音楽学を専攻.博士(文学).同志社女子大学を経て1993年より成城大学文芸学部.現在教授として美学を担当.その間イェイル大学客員研究員,ストックホルム大学客員教授.編書にGirolamo Mei, De modis(勁草書房,1991年),著書に『あじわいの構造:感性化時代の美学』(春秋社,2010年),『危険な「美学」』(インターナショナル叢書,2019年).戸口幸策,寺西基之との共訳書にグラウト・パリスカ『新西洋音楽史』(上中下巻,音楽之友社,1998-2001年).

 

④コロナ状況下で表現することの困難と魅力について考える
日時:2020年9月4日(金) 13:00~16:10
講師:北山晴一先生

講義概要:本年度の講義は、2部構成としたい。第1部では、「文化芸術活動は不要不急のぜいたく品か」のテーマで、ご存じコロナ状況下でのファッションを含む文化芸術活動がいかなる困難の中にあるのかについて受講生のみなさんと議論したい。具体的には、アートとビジネスの両方にまたがるファションの領域での問題を扱う。第2部では、昨年に引き続き、障害とアートの関係をめぐるさまざまの見解のいくつかを紹介するとともに、アート活動の根本に位置する「表現すること」の意味、とりわけ「表現することの困難」と、そうした困難にもかかわらず湧き上がてくる「表現する意思」について考えてみたい。

講師プロフィール:1944年、東京都生まれ。立教大学名誉教授、文化ファション大学院大学客員教授、社会デザイン学会会長、一般社団法人社会デザイン研究所代表理事。パリ第3大学専任講師、立教大学助教授・教授を経て現職。他に、今回のテーマとの関係で言えば、日本脳損傷者ケアリング・コミュニティ学会呼びかけ人・理事ついで監事、化粧文化研究者ネットワーク代表、など。
個人HP:http://kitagumi.my.coocan.jp/
・専門は社会デザイン学、社会学、社会史。教育研究のための方法論(対象分野)として、欲望論、アイデンティティ論、親密社会論、消費論の4つの柱を立てて活動してきた。
・主な著書に、『世界の食文化⑯フランス』(農文協、2008年)、『衣服は肉体になにを与えたか』(朝日新聞社、1999年)、『官能論』(講談社、1994年)、『おしゃれの社会史』(朝日新聞社、1991年)、『美食の社会史』(朝日新聞社、1991年)、他。共編・著として、『身体はだれのものか』(昭和堂、2018年)、『乳房の科学』(責任編集、朝倉書店、2017年)、『顔の百科事典』(丸善出版。2015年)、『医食同源 食とからだ・こころ』(ドメス出版、2010年)、等。


 

お問い合わせ:
info-ga(at)ml.geidai.ac.jp (東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科教員室)
edagawa(at)ms.geidai.ac.jp(枝川明敏教授)