「THE 鍵 KEY」

第19回佐治敬三賞選出

 

今年度、本研究科の修士課程を修了した山下直弥さんが企画・制作に携わった「THE 鍵 KEY」が、公益財団法人サントリー芸術財団による第19回佐治敬三賞に選出されました。

https://www.suntory.co.jp/news/article/sfa0041.html

「佐治敬三賞」は、「わが国で実施された音楽を主体とする公演の中から、チャレンジ精神に満ちた企画でかつ公演成果の水準の高いすぐれた公演」(公益財団法人サントリー芸術財団HPより)に贈られる賞です。

以下は、山下さんからのコメントです。

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修士1年のとき、作曲家のフランチェスカ・レロイさんから「谷崎潤一郎の『鍵』を題材に、古民家の中で12人の演奏者が4つの部屋で別れて演奏し、それを観客が回遊しながら覗き見するように鑑賞するオペラ作品をやりたい」といったアイデアを聞いたとき、「本当にそんなことが実現可能なんだろうか?」という懐疑心とともに、アイデアにとても高揚したのを覚えています。
2017年に試演会という形で作品の一部分を初めて上演しました。音楽とダンス、物語、建築とが複雑に絡み合う誰も見たことがない新しい音楽体験に、自分が興奮しただけではなく、多くの方々に楽しんでいただき、再演希望を言われました。
そのような後押しもあり、3年がかりで試演会、初演、改訂初演と展開した公演・作品がこのような賞をいただけたこと、大変嬉しく思います。
今回の受賞は他ジャンルを垣根なくつなげようとする発想力溢れるフランチェスカさんの功績はもちろんのこと、実験的な作品の独特なスリリングさを楽しみ、素晴らしいパフォーマンスを披露してくださった出演者の皆様、無理難題を柔軟に対応してくださったスタッフの皆様のご協力あってだと思います。
ご協力いただいた皆様に心より感謝申し上げたいです。
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©️Shin Sumimoto

山下くんとレロイさん