ジュリア・ブライアン=ウィルソン特別講義
「 “アートワーカー”はどこにいる?——60年代アメリカの芸術、労働、ジェンダー」

1960年代アメリカのアーティストたちは、自らを「アートワーカー(芸術労働者)」と名乗り、ベトナム反戦運動、フェミニズム運動、反人種差別運動、美術制度批判などと重なり合いながら、さまざまな抗議活動を展開していきました。それらは大きな盛り上がりを見せますが、同時に、内部にさまざまな問題もはらんでおり、運動自体は数年で下火になっていきます。しかしそこには、50年以上を経た現在から見ても、また、アメリカから遠く離れた日本から見ても、受け取るべきものが少なくないように思われます。

かつて「アートワーカー」と名乗った者たちはいったい誰で、どのように時代と向き合ったのでしょうか。私たちはいま、芸術、労働、ジェンダーをめぐる諸問題にどう向き合っていくことができるのでしょうか。

この講演会では、アメリカで2009年に出版され、『ニューヨークタイムズ』紙や『アートフォーラム』誌で年間最優秀書に選ばれたジュリア・ブライアン=ウィルソン著 Art Workers: Radical Practice in the Vietnam War Era の待望の翻訳書『アートワーカーズ——制作と労働をめぐる芸術家たちの社会実践』(2024年3月末発売予定、フィルムアート社)の刊行を機に、著者のジュリア・ブライアン゠ウィルソン氏、戦後アメリカ美術の専門家である池上裕子氏、クィア/フェミニスト映画理論・批評を専門とする菅野優香氏をお招きし、訳者の高橋沙也葉氏、長谷川新氏、松本理沙氏、武澤里映氏とともに『アートワーカーズ』についてさまざまな角度から議論を行う予定です。ぜひ、ご参加ください。

日時:2024年3月17日(日)14時〜17時(13時半開場)
会場:東京藝術大学上野キャンパス・国際交流棟3Fコミュニティサロン
料金:無料 ※要予約

講師:ジュリア・ブライアン=ウィルソン(コロンビア大学美術史・考古学部教授)
討議者:池上裕子(神戸大学)、菅野優香(同志社大学)
通訳:樅山智子(Art Translators Collective)
司会:清水知子(東京藝術大学)、翻訳者一同

言語:日本語/英語(逐次通訳あり)
主催: アートワーカーズ翻訳プロジェクト実行委員会(高橋沙也葉、長谷川新、松本理沙、武澤里映)、東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科 清水知子研究室
助成:公益財団法人小笠原敏晶記念財団、上廣倫理財団

予約方法:以下のお申込みフォームから事前予約をお願いいたします。
https://x.gd/78qjl

お問い合わせ
東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科教員室 (リサーチ領域)
ga-research@ml.geidai.ac.jp


ジュリア・ブライアン゠ウィルソン (Julia Bryan-Wilson)

コロンビア大学美術史・考古学部教授、『アートワーカーズ——制作と労働をめぐる芸術家たちの社会実践』著者。現在、コロンビア大学美術史・考古学部教授、ジェンダー・セクシュアリティ研究科教員。芸術的労働の問題、フェミニズム・クィア理論、工芸史などを研究している。近刊に『ほつれ:芸術とテキスタイルの政治学(Fray : Art and Textile Politics)』(シカゴ大学出版局、2017年、未邦訳)や『ルイーズ・ネヴェルソンの彫刻:ドラァグ、色彩、合流、顔(Louise Nevelson’s Sculpture : Drag, Color, Join, Face)』(イェール大学出版局、2023年、未邦訳)など。2019年よりサンパウロ美術館の総合キュレーターを務め、これまでに1900年以前の女性が制作したテキスタイルや絵画を集めた「女性たちの歴史、フェミニズムの歴史(Women’s Histories, Feminist Histories)」展など複数の展覧会を担当している。

池上裕子(Hiroko Ikegami)

神戸大学大学院国際文化学研究科教授。イェール大学美術史学科でPh.D.取得。専門分野は第二次世界大戦後のアメリカ美術とグローバル・モダニズム。主著にThe Great Migrator: Robert Rauschenberg and the Global Rise of AmericanArt(The MIT Press, 2010)、共著にInternational Pop(Walker Art Center,2015)、『レアリスム再考』(三元社、2023年)など。『越境と覇権:ロバート・ラウシェンバーグと戦後アメリカ美術の世界的台頭』(三元社、2015年)で第38回サントリー学芸賞受賞。日本美術オーラル・ヒストリー・アーカイヴ副代表。

菅野優香(Yuka Kanno)

同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科教授。クィア/フェミニスト映画理論・批評を専門とし、映像におけるジェンダーとセクシュアリティ、クィア・シネマやLGBTQ映画祭を通じたアクティビズムとコミュニティの生成に関心を寄せる。著書に『クィア・シネマ 世界と時間に別の仕方で存在するために』(フィルムアート社、2023年)、『クィア・シネマ・スタディーズ 』(編著、晃洋書房、2021年)、共著にRoutledge Handbook of Japanese Cinema (Routledge, 2021)、The Japanese Cinema Book (BFI/Bloomsbury, 2020)、『クィア・スタディーズをひらく』晃洋書房(2020)など。