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研究科長挨拶
国際芸術創造研究科
アートプロデュース専攻とは

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グローバル化で世界が近くなった今日、人びとは居場所とコミュニティを求めて、地球上を彷徨っています。資本主義がさまざまな行き詰まりを見せる先進国がある一方、高度経済成長のただなかにある国々もあります。そうした世界との交流を通じて、変幻する現在の、多様な価値観に新たな文脈を提示すべく、芸術文化活動を構想・実践し、かつ理論化できる人材を育むことが、東京藝術大学大学院国際創造研究科の創設趣旨です。

2016年4月、本研究科の開設と同時に新設されたアートプロデュース専攻では、次の3つの研究領域を交差・横断しつつ、芸術と社会の関係にアプローチします。

アートマネジメントは、芸術の作り手と受け手をつなぐことを目的とし、公演や作品、プロジェクトなどの企画・製作・運営、資金や支援の獲得、利害関係者との連携・調整などの役割を担う活動です。美術・音楽・映像など、さまざまな領域のアートマネジメントのあり方を、その理論や歴史を踏まえ、各種事業の企画・運営といった現場における実践を通じて、自治体や企業、財団、メディア、NPO、芸術家、そして市民との関係をどのように構築するのかを学修します。また、時代の変化への対応を探り、より創造的な社会の構築に資するような、芸術と社会の新たな関係構築をめざします。

キュレーションは、主として展覧会などにおいて、テーマを考え、コンセプトを構築し、それにもとづいたアーティスト・作品・展示空間などを選択して、その展覧会の哲学が視覚的に伝わる演出や運営を行う活動です。また、次代に向けて成果を残すためのカタログの作成など、さまざまな言語的情報発信も活動の一環です。本専攻では、芸術やキュレーションに関わる最新の批評理論や実践を学びながら、さまざまな規模で、場の文脈を踏まえた展示企画を行い、理論と実践を学修します。また、キュレーションを行うにあたって必要な知識である人文学や社会科学、さらには自然科学などの多様な分野についても幅広く学びます。

リサーチの角度からは、社会学・メディア文化研究・文化経済学・文化政策学などの社会科学的な視点から、芸術と社会の関係を分析します。特に、近年の理論的な発展を踏まえつつ、芸術と社会の関係を、文献調査および具体的なフィールドワークを通じて考察します。さらに、メディアを中心とする情報テクノロジーの発達によって生まれつつある新しい芸術文化領域についても研究の対象とします。

2016年春に本専攻創設と同時に開設された修士課程に続き、2018年4月より博士課程を設置いたします。

国際芸術創造研究科長 熊倉純子

2016年4月記

2018年2月改定

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