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リリー・ナイト個展
Death is Death

<展示期間>
日時:2025年9月23日(火祝)- 10月26日(日)
場所:「CREATIVE HUB UENO “es”」(クリエイティブハブウエノ“エス”) 東京都台東区上野7-1-1(上野駅 浅草口付近)
開場時間:11:00−19:00(最終入場18:45)
休場日:月曜日

 

<展示概要>
⽣物は存在した時点から、⽣分解と燃焼のなかで消滅に向かい、そのプロセスは時間のように不可逆的である。屍体は死そのものではなく、⽣の循環を可能にする回路をつくり、⽣の循環ができるところには絶対的な死は存在しないとも⾔える。生態系のなかでは、如何に生の回路ができるかが、様々な生命体に通底する働きー生命力ーであり、生命体がもつ根源的かつ本来の志向性である。しかし死の循環というものがあり、⽣だと⾒せかけた死もある。
高度資本社会においては、それは様々な生に関わる公共政策が決議される場所でもあるが、生の回路より、情報・収益性・支配力を優先させるぶりは瞭然のとおり。圧倒的に増えた駅ビルの映像―半自動的にループし続け、異常な大きさと暴力性をもってー通行者にとっては生の空間に浸食し、われわれを取り囲み、追い込む死の時間ほかない。この社会を分かち合う者同士が出会う「場」であり、新しい場所へ届けてくれるフレッシュな発着点となる駅が、消費を促すイメージに溢れ、必要以上の情報に膨らむ。
様々な生命体・生き物・人間同士と、この社会・世界・地球を分かちあう現代人の目には、分かちあうものがどんな姿を映しているだろうか、何が見えているのか?様々な省察と問いかけを込めた新作展示をご高覧ください。

 

「status of the shared #1」 2025年|ミクストメディア|プラスチックシート、水彩、アクリル絵具|紙、段ボール|720×920×10mm

 

<アーティストステートメント>
現代アートは、美学と社会批評との出会いのなかで葛藤し、生きる。多くの主題と形式主義的なカテゴリーが提供される昨今、正当化された考え方に陥らないようにすることがとても大切だと思う。前提条件と結論が与えられ、芸術表現が単なる増幅器としてしか機能しない状況は避けたい。外部となる物質の様相や現象をとらえ、私はドローイング、写真、本質的には混合素材を用いて、共存する存在の状態を示す作品を発表してきた。産業化という人工的な殻と、近代主義的な人間中心の世界観を内側から打ち破り、人々の意識を消費志向から気づきと体得へと変容させる潜在的な力を発揮しようとしている。

 

<推薦者コメント>
リリー・ナイトは写真/ドローイングと物質的な素材を使う表現活動をおこなうアーティストで、私たちが住む社会と個人の関係性を内部と外部の双方から見つめるような鋭い批評性を持っているところが魅力です。今回は資本の暴力性と向き合う生と死をテーマにする展示をおこなうと聞いて大変楽しみにしています。
東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科アートプロデュース専攻 住友文彦 教授

 

<プロフィール>
LILY NIGHT / リリー・ナイト

東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科アートプロデュース専攻 修士課程修了。
中国生まれ。日本とイギリスでの留学を経て、現在 東京を拠点にアーティスト活動を行っている。
主な展示歴
2024年 目撃する影|EUKARYOTE
2023年 Meet Your Art Festival|寺田倉庫エリア
2022年 sub-sublime|デカメロン
2022年 A Picnic to the Clear Sky|京都岡崎蔦屋書店
2022年 Exchange Time|ソニーイメージングギャラリー
2022年 出版記念展ABSCURA|リコーイメージングスクエア
2021年 Enter the Void|NOHGA HOTEL UENO TOKYO
2021年 局部麻酔|銀座蔦屋書店
2020年 i was real|kanzan gallery
2020年 LAST NIGHT|ふげん社

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