特別講義：Minna Valjakka
「現代アートと自然科学のエコロジカルな結合に向けて」

ヘルシンキ大学准教授・研究者のMinna Valjakka氏を迎えて特別講義を行います。
ご興味のある方はどなたでもご参加いただけます。直接会場までお越しください。

日時：2025年5月14日（水）18:00-19:30
会場：東京藝術大学上野キャンパス 国際交流棟4F GA講義室（MAP No.19）

報告者：Minna Valjakka（ヘルシンキ大学准教授／美術史・アジア研究科主任研究員）
司会：毛利嘉孝（東京藝術大学教授）

主催：東京藝術大学大学院 国際芸術創造研究科 毛利嘉孝研究室
言語：英語（通訳なし）

講義概要

21世紀に入り、芸術と科学のコラボレーションに対する関心が再び高まり、「新しい」芸術運動が議論されています。しかし、ビジュアル・アートと自然科学の関係は、相互のインスピレーション、共同創造、そして不平等な植民地関係の複雑なプロセスを経て発展してきたものです。

「エコ=コンジャクションズ・プロジェクト（EcoConjunctions Project）」は、現代のアートと科学のコラボレーションが、このような歴史的、認識論的な軌跡によってどのように形成されているのか、また、多様な社会政治的文脈（フィンランド、日本、シンガポール、インドネシア）において、市民社会の形成と持続可能な未来にどのように貢献できるのかを探求するプロジェクトです。市民社会のダイナミックな理論（Klein and Lee 2019）、アート・サイエンス・テクノロジー・イニシアチブにおける知識生成のモデル（Paterson et al.2020）、市民社会における芸術の役割に関する研究（Valjakka 2021, 2023）を活用し、本プロジェクトは学際的な分析枠組みを構築します。

本講演では、ライフパッチ（インドネシア）、IHMEヘルシンキ（フィンランド）、ペリフェリア美術展（フィンランド）などのケーススタディを通して、アート・サイエンス・イニシアチブの多様性、知識の生成と取り込みの手法、環境意識の向上という目的を明らかにします。

※毛利嘉孝研究室はエコ=コンジャンクションズ・プロジェクトに日本側コラボレーターとして参加しています。

Dr Minna Valjakka (Senior Researcher / Associate Professor of Art History and Asian Studies, University of Helsinki, Finland)

Dr. Minna Valjakka explores artistic and creative practices in East and Southeast Asia through locally embedded research, drawing on eco-critical art studies, urban studies, and environmental humanities. She is particularly interested in how diverse practices engage with transcultural processes, environmental issues, and civic sphere. Her multi-sited approach is reflected in a wide range of publications, including journal articles, book chapters, and exhibition catalogues. In addition to writing a monograph on arts, plants, and their (im)material remediations, Dr. Valjakka leads a new interdisciplinary project, Ecological Conjunctions: Contemporary Arts and Natural Science Collaborations for Civil Society Formation (EcoConjunctions), funded by the Research Council of Finland (2024–2028).

minna.valjakka@helsinki.fi, https://www.minnavaljakka.com/ecoconjunctions