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展覧会:「呼応する / Koō-suru」

この度、2024年11月9日(土)より堺屋太一記念 東京藝術大学 美術愛住館にて、国際芸術創造研究科の学生による展覧会「呼応する / Koō-suru」展を開催いたします。

【展覧会概要】
展覧会名:「呼応する / Koō-suru」
会期​​:2024 年 11月9日(土)~2024年11月24日(日)
開館日:金・土・日
開館時間:​11:00-17:00(入場は閉館の 30 分前まで)
料金:​​無料
会場​​:堺屋太一記念 東京藝術大学 美術愛住館
住所​​:東京都新宿区愛住町2-5
交通案内:​丸ノ内線四谷三丁目駅(2番出口)より徒歩5分
※駐車スペースのご用意はございませんので、公共交通機関をご利用ください。

出展作家:
イズマイール・バリー, 上田 麻希,ムナ・カッライ, スンナ・スヴァヴァルスドッティル, 易 雅静, トールステイン・エイフョーヅ・トーラリンスソン (サウンドパフォーマンス)

キュレーター:
Anqi Li, 谷口 明日香, Ghada Hadil Ben Fredj, Katrin Bjoerg Gunnarsdottir, Rochio Cruz Toranzo

展覧会コンセプト:
本展覧会「呼応する / Koō-suru」は国際的に活躍する5人のアーティストを招聘し、「人間が他者に呼び起こされるもの」に対する思索のもとで展覧会を行います。本展は視覚が優位になり、鑑賞者が作品に対し距離をとって観測するような態度をとりやすい―伝統的な美術館での鑑賞体験に対する挑戦となるのはもちろん、「作品と鑑賞者の間の深い、抜本的な関係性とはなにか」を問いかけ、明るみに出そうとします。
日本語で「呼びかけや行動に応える」という意味を持つ、「呼応する」という語をタイトルに用いた本展は、反応・共鳴・反響の現象に重きを置いています。反応や動きは相手と同じ様式や形で起こらなくとも、反応が起こることそのものが誰かへの、なにかしらのメッセ―ジになるのではないでしょうか。そんな大いなる受動性の輪のなかの能動性を指す言葉が「呼応する」です。
本展は単なる視覚体験を超えた、より包括的な鑑賞体験を提案します。鑑賞者は作品の目撃者であるだけでなく、作品との間に進行する対話の一部として位置づけられます。ひとつひとつの視線、息、瞬間が、繊細な共鳴を深く響かせるなかで、観客はアートとの新たなつながりを発見し、作品が生み出す持続的な対話に身を委ねることができるのではないかと考えます。

【関連プログラム】

サウンド・パフォーマンス
2024年11月8日(金)18:00〜18:30
電子音楽作家、トールステイン・エイフョーヅ・トーラリンスソン (アイスランド)によるサウンド・パフォーマンス。人間と自然環境との対話における空間共鳴に関心を持ち、音響的な感覚や聴覚記憶の時間に対する操作性を探求する彼のパフォーマンスには展示作品とまた別の「呼応する」関係を見出すことができるだろう。

アーティストトーク|上田 麻希、スンナ・スヴァヴァルスドッティル
2024年11月10日(日)14:00〜15:30
参加アーティストを二名迎え、制作活動の関心や、本展に対して制作を行った際に意識したこと、展覧会全体についてディスカッションを行う。アーティストの視点から展覧会を理解する重要な機会となる。

キュレータートーク|Anqi Li, 谷口 明日香, Ghada Hadil Ben Fredj, Katrin Bjoerg Gunnarsdottir, Rochio Cruz Toranzo
2024年11月17日(日)14:00〜15:30
本展を担当した学生キュレーターが、来場した鑑賞者からの質問や疑問に答えながら、展覧会の制作プロセスを振り返る。包括的なディスカッションによって、本展覧会そのものへの理解を深める取り組みだ。

【アーティスト紹介】
イズマイル・バリー
1978年、チュニジアのチュニスで生まれ。パリとチュニスを拠点に活動。
映像、ドローイング、彫刻、音など、特定の専門分野に限定せず、多様な表現手法を用いる。彼は自身を観察者の立場に置き、「何がそこで起こるか」に注意を向けながら、身ぶりや実証実験を捉えるための装置を設置する。彼の作品は、視ることの周辺から浮かび上がる意味や、物事の現存性を明るみに出す周囲の世界の存在に関心を寄せている。

バリーの作品は、ジュ・ド・ポーム(パリ)、ポンピドゥー・センター、ラ・クリエ(レンヌ)、ラ・ヴェリエール(ブリュッセル)、カールスルーエ州立美術館、ル・フォーラム(東京)、ベイルート・アート・センターなど、さまざまな会場で展示されている。また、彼の映画は、TIFF(トロント、カナダ)、NYFF(ニューヨーク、アメリカ)、IFFR(ロッテルダム、オランダ)、FID(マルセイユ、フランス)、クンステンフェスティバルデザール(ブリュッセル、ベルギー)などの映画祭で選出されている。

2023年から2024年にかけて、ローマのフランス・アカデミーであるヴィラ・メディチのフェローを務めた。

上田 麻希
1974年、東京生まれ。1997年慶應義塾大学環境情報学部卒業、1999年同政策メディア研究科卒業。現在の制作拠点は石垣島。文化庁派遣若手芸術家(2000)、ポーラ財団派遣若手芸術家(2007)としてオランダ・ベルギーに滞在。世界的に注目を集める嗅覚アート・シーンのリーディングアーティストの一人。シンガポール国立美術館、台湾国立現代美術館、ドイツのヴィラ・ロット・ミュージアムなど、世界各地で展示を行うほか、世界的な嗅覚アートの殿堂、アート・アンド・オルファクション・アワード内のサダキチ・カテゴリーに6度ノミネートされ、2022年に受賞。2024年には審査員を務めた。日本においては清須はるひ美術館にて、公共美術館初の嗅覚アート個展を全館規模で開催した(2018)。大学での講義や通信講座、論考寄稿などを通して嗅覚アート分野に関する教育・啓蒙活動も行う。

ムナ・カッライ
1970年チュニジア、スファックス生まれ。チュニジアと日本で学び、2005年にフランスへ移住。チュニジアでは社会学、文化・芸術を専攻し、人文科学、とりわけ社会学の視点から多様な芸術分野を探求する。1997年に日本へ渡り、東京工芸大学大学院芸術学研究科で写真を学び、2001年に修士号を取得。日本での学びが彼女の芸術に対する考えに重要な影響を与え、個性的な表現方法を確立した。

彼女の作品は、記憶やアイデンティティ、家庭と都市空間の複雑な関係性をテーマに、親密かつ詩的なアプローチを用いて表現される。彼女のレンズを通じて、個人的な経験と社会的・政治的文脈を融合させ、プライベートとパブリックの両面を繋ぐ内面的で力強いイメージを創り出している。

主な展覧会としては、個展「OFF-THE AIR」(ゼイツ・モカア美術館、2017年)や、チュニジアのコンテンポラリーアートセンター「La Boîte」での「The Patterns Of Ferdousse」(2023年)が挙げられる。また、グループ展にも多数参加しており、「Corpus – Recent acquisitions from the Centre National des Arts Plastiques」(Paris Photo、パリ、2021年)、「Regards des photographes arabes contemporains」(MAMA Museum、アルジェ、2008年)、「A Useful Dream」(BROZAR、ブリュッセル、2010年)での展示経験がある。さらに、Photoquai(パリ)、「アラブ世界の写真家ビエンナーレ」(アラブ世界研究所、パリ、2019年)、Dream City(チュニス、2012年)、ダカール・ビエンナーレ(ダカール、2016年)、「アフリカ写真の出会い」(バマコ、2007年・2011年・2019年)など、国際的なイベントでも取り上げられている。

CNAP、MUCEM、ゼイツ・モカア美術館、シンディカ・ドコロ財団、La Boîte、キラニ・グループ・コレクション、ナドール・コレクションなど、複数のコレクションに収蔵されている。

スンナ・スヴァヴァルスドッティル
1992年アイスランドのアクレイリ生まれ。現在はアイスランドのレイキャビクに拠点を置き、アートやデザインのプロジェクトに取り組んでいる。2019年にオランダ・ハーグのロイヤルアカデミー・オブ・アートとロイヤルコンセルバトリーアートサイエンス学部を卒業した。

作品では、感覚を通じて世界をどのように探索するかに関して対話を作りだす。見過ごされることの多い触覚や嗅覚を通じた、微細な瞬間の経験に焦点を当てる。この瞬間を延ばす方法を探求することが作品の出発点となり、シンプルで遊び心のあるインスタレーションや器物が制作される。

近年の主な展覧会は、レイキャビクのÁsmundarsalurギャラリーでのグループ展『Making Sense』など。

易 雅静
1990年中国広西に生まれ。2018年多摩美術大学大学院修士課程環境デザイン学科修了。中国と日本を拠点に活動。主な個展に「内なる風景 -無を満たす-」弘重ギャラリー (日本、東京、2019)、「内なる風景」明写館meisyakan(中国、寧波、2021) 、「一片の荒野を無駄に幻想する」太和芸術空間 (中国、北京、2023 ) 、「かすかな痕跡」BankART KAIKO(日本、横浜、2024)など。

インスタレーション、平面、映像を中心に作品を展開している。セロハンテープや樹脂、ストローなどの日常的な素材を用いて、「自然」にあるかすかな痕跡を捉え、「自然」と「不自然」のバランスを取りながら、「自然」を再構築する。

トールステイン・エイフョーヅ・トーラリンスソン Þorsteinn Eyfjörð Þórarinsson (サウンド・パフォーマンス)
1995年にアイスランド生まれ。現在はレイキャビクを拠点に活動している。アイスランド美術大学を卒業し、視覚芸術の学びに加え、音楽学校でジャズピアノと電子音楽を学んだ。音を出発点に物理的かつ感情的な人々との関係項を重要視し、自然環境や人間環境との対話における空間的共鳴や、音の感覚や聴覚記憶が時間を歪める様子を追求している。

さまざまな音を扱う中で、他のアーティストの作品に音楽やサウンドデザインを提供したり、インスタレーションや紙面上の作品を制作したりしている。近年の作品には、展示「Enter Woodland Spirits」での「Cilium Self(2024)」、STAKギャラリーでの個展「Ohmscape(2022)」、レイキャビク市から委託を受けたAVインスタレーション「Synergy(2020)」、Sigurður Guðjónssonの「Oscillation(2022)」と「Edda」におけるサウンドデザインとミキシングが含まれる。

彼はダスティン・オハロランのアシスタント作曲家としても働いており、特にテレビシリーズ「Essex Serpent(2022)」や「A Spy Among Friends(2022)」で注目されている。


 

展覧会名:​「呼応する / Koō-suru」
会期​​:2024年11月9日(土)~2024年11月24日(日)
開館日:金・土・日
開館時間:​11:00-17:00(入場は閉館の 30 分前まで)
料金:入場​​無料
会場​​:堺屋太一記念 東京藝術大学 美術愛住館
住所​​:東京都新宿区愛住町2-5
出展作家​:イズマイール・バリー, 上田 麻希,ムナ・カッライ, スンナ・スヴァヴァルスドッティル, 易 雅静, トールステイン・エイフョーヅ・トーラリンスソン (サウンドパフォーマンス)
キュレーター:​Anqi Li, 谷口 明日香, Ghada Hadil Ben Fredj, Katrin Bjoerg Gunnarsdottir, Rochio Cruz Toranzo
映像作家:​羅絲佳
アーカイブ制作:​Su Yue
メインビジュアル・デザイン:​​嶋村圭太
主催:​​東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科
後援​​:駐日アイスランド大使館

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