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グローバル時代の芸術文化概論 特別講義

戦争と機械 
講師:ユク・ホイ(香港シティ大学准教授)


この度、東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科では、本研究科・開講科目「グローバル時代の芸術文化概論」の一環として、香港シティ大学准教授のユク・ホイ氏を招聘し、講義を行います。

日時:2022年5月31日(火) 19:00-20:30 
会場:東京藝術大学千住キャンパス 1階 第1講義室 →第7ホールに変更になりました。
講師:ユク・ホイ(香港シティ大学准教授)
司会:毛利嘉孝(東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科教授、社会学・文化研究/メディア研究)
討議者:原島大輔(早稲田大学次世代ロボット研究機構助手、基礎情報学/表象文化論)
通訳:田村かのこ(通訳・翻訳者)
このセミナーは、科研費基盤B「ポストメディア文化研究の理論構築:創造産業の日英比較を中心に:代表:毛利嘉孝(研究番号17H02587)」(Post Media Research Network)によって運営されています。

参加方法:要お申し込み
お申し込みはこちら(定員60名、先着順/お申し込み〆切:5月26日)
※ 講義への参加は学内生優先としますので、人数によりご参加いただけない場合がございます。参加可否は5月27日中にメールにてお知らせいたします。


War and Machine
戦争と機械

 1914年、第一次世界大戦の勃発に際して、アンリ・ベルクソンは、ドイツが工業主義と機械化に傾倒したことが戦争の原因であり、「物質の精神化」ではなく、「精神の機械化」を生み出したと主張した。その後、ベルクソンは『道徳と宗教の二源泉』(1932)のなかで、近代の戦争は文明の産業的性格と結びついている、と述べている。ベルクソンの分析は、現代の軍事機械とはほとんど関係がなく、むしろ人間とテクノロジーの関係、言い換えれば、戦争は “器官の衝突 “の結果であるとするものである。1948年、ノルベルト・ウィーナーは『サイバネティックス、あるいは動物と機械における制御とコミュニケーション』の中で、機械論と生気論の対立はまちがった問題提起に属している、なぜなら、それは今やサイバネティックスによって克服されているからだ、とベルクソンに反論している。このような機械の進化は、ベルクソン批判に影響を与えたのだろうか。ロシア・ウクライナ戦争を踏まえて、戦争と機械の関係をどのように再考すべきなのか。これらの問いに答えることで、否定器官学(ネガティヴ・オーガノロジー)の概念を精緻化し、今日の状況における文脈を明らかにしたい。


Yuk Hui
ユク・ホイ

ロンドン大学ゴールドスミス・カレッジでフランスの哲学者ベルナール・スティグレール(1952-2020)の下で博士論文を執筆、ドイツのロイファナ大学リューネブルクで哲学の大学教授資格(Habilitation)を取得。『On the Existence of Digital Objects』 (University of Minnesota Press, 2016)(『中国における技術への問い:宇宙技芸試論』として『ゲンロン』で既に一部日本語訳されている。近刊), 『The Question Concerning Technology in China:-An Essay in Cosmotechnics』 (Urbanomic/MIT Press, 2016), 『Recursivity and Contingency』 (Rowman & Littlefield International, 2019)(邦訳『再帰性と偶然性」原島大輔訳、青土社), 『Art and Cosmotechnics』 (University of Minnesota Press, 2021) など、12ヶ国に翻訳されている単著を執筆。『30 Years after Les Immatériaux: Art, Science, and Theory』(Meson, 2015)共同編集、『Philosophy after Automation』(Philosophy Today, Vol.65. No.2, 2021)等の編著がある。2014年から、哲学とテクノロジーのための研究ネットワークの招集者を務め、バーグルエン賞審査員を務める。現在香港シティ大学准教授。



また、以下の日程で、学内生を対象にユク・ホイ氏による特別講義を行います。

グローバル時代の芸術文化概論 ユク・ホイ特別講義
「人新世における技術多様性に向けて」
  For a Technodiversity in the Anthropocene

日時:2022年5月27日(金) 16:20-17:50
会場:東京藝術大学上野キャンパス 美術学部 第2講義室
講師:ユク・ホイ(香港シティ大学准教授)

※ こちらは学内生向けの講義です。人数に限りがございますので、参加をご希望の方はお問合せください。
→定員に達しましたので学外の方の申込みは締め切りました。
※ 講義は英語で行われます。通訳はありません。
※ 講義に先立ち、ユク・ホイ氏の『再帰性と偶然性:ポスト・シンギュラリティの哲学」(青土社、2022年)の翻訳者、原島大輔氏による準備講義を5月13日(金)5限 16:20-17:50にオンラインで開催します。こちらも学内生向けの講義です。参加をご希望の方はお問い合わせください。



主催:東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科
お問い合わせ:東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科 教員室
info-ga(a)ml.geidai.ac.jp

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