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Intimate Distance.

Masterpieces from Ishikawa Collection

長谷川祐子先生の企画した展覧会が仏モンペリエの複合アート施設 MoCo – Montpellier Contemporain で開催中です。

会期:2019629日(土)〜929日(日)
会場:MO.CO. Hôtel des collections
住所:13 rue de la République, 34000 Montpellier, France
電話番号:+33(0)434887979
開館時間:12:0019:006月〜8月は展示室のみ〜22:00) ※最終入場は閉館の30分前まで
休館日:

ウェブサイト ブックレット


ステートメント:

Intimate distance|長谷川 祐子

一人のコレクターの世界と感性の中に収まっていた作品を選び出してきて、その彼/彼女の手の届かない別の場所で見せること、そのこと自体が親密さと冷たい温度をもった距離を生み出す。

石川コレクションをこれだけまとまって、他の地でみせるのは初めて、そしてこの新しい美術館MOCOにとっても最初の展示となる。どのような眺めにしてみせるのか、いろいろな予算上の制約はあって、生憎と展示できないものもあったが、 40点余の作品をひとまとまりの展示空間に構成し「intimate distance」 と名付け、フランスーモンペリエの人々に見せることとなった。

多くが欧米の作家による作品であり、1970年代の概念芸術からポスト概念芸術とよばれる作品の傾向にある、どちらかといえばミニマルで、非スペクタクル的な、激しい感情やポリテイクスや記憶が内包されていたとしても、一見穏やかなたたずまいをもった作品が多い。

現代アート、特に1970年代の概念芸術には近寄りがたい曖昧さ、難解さがある。物質性、身体性が希薄で、「自己表現」的な手作り感が少なく、作るということより「選ぶ」「編集する」という行為によってつくられたものたちの温度は、前者に比して冷たく感じられる。それらは知的なエリートに向けられた問いかけであり、彼らはこれにものの見方、視点の変換、ずらしといった反応で答える。

これらは1990年代になって、より手にとりやすい形になった。「偶然性」や「曖昧さ」「見るものの解釈に委ねられる部分」、はあいかわらずだが、作家の使う表現言語がより「親密なもの」になったことと、大きなユートピアでなく、各自の社会へのかかわりにおいて視座されるマイクロユートピアが共有されるようになったからである。

石川コレクションの作品は「難解さ」から「曖昧だが親密な何かへの開かれ」への変遷が歴史的になだらかに連続するように選ばれている。本展においてもその流れを感じ取れるように作品の選択を行った。

展示作品全体を見るとき、不思議とはやりのグローバルとローカルといった対立項は見えず、「主体」―私たち個々と世界のかかわりという開けた風景が展覧会の中には広がっている。作品との出会いは観客の視点を既存のものの見方からずらし、別の想像力や世界観のもとにいざなう。その作用がもたらす認識における変化は、不意打ちに近い形で到来する新しいリアリテイである。

ボリスグロイスは、二つの「普遍」があり、従来的な政治的な普遍と、新しい普遍があるという。「今日では、普遍的であるということは、自分のアイデンテテイをそれ自体として美学化できることを意味しており、そのアイデンテテイを変化させる必要がない。従ってこの既存のアイデンテテイは多様性という普遍的な文脈における一種のレディメイドとして扱われることになる。」

自らのアイデンティティが普遍となっていく今日において、感覚と意味、認識と無意識、時間感覚と記憶はどのような関係を再形成していくのだろうか。

 

参加アーティスト:
Marcel Broodhaers / Peter Fischli & Weiss / Simon Fujiwara / Ryan Gander / Liam Gillick / Felix Gozalez-Torres / Pierre Huyghe / On Kawara / Mike Kelly / Haroon Mirza / Gerhard Richther / Rachel Rose / Anri Sala / Shimabuku / Motoyuki Shitamichi / Danh vo / Lawrence Weiner

 

PIERRE HUYGHE

Zoodram 4

2011

Écosystème marin vivant, aquarium en verre, système de filtration, coquille en résine d’après La muse endormiede Constantin Brancusi (1910)

Living marine ecosystem, glass tank, filtration system, resin mask of Constantin Brancusi’s ‘Sleeping Muse’ (1910)

Fondation Ishikawa, Okayama

Courtesy de l’artiste, Esther Schipper, Berlin, et Anna Lena Films, Paris

© Pierre Huyghe

RYAN GANDER

Ftt, Ft, Ftt, Ftt, Ffttt, Ftt, or somewhere between a modern representation of how a contemporary gesture came into being, an illustration of the physicality of an argument between Theo and Piet regarding the dynamic aspect of the diagonal line and attempting to produce a chroma-key set for a hundred cinematic scenes

2010

Plastique, caoutchouc, acier

Plastic, rubber, steel

Fondation Ishikawa, Okayama

Courtesy TARO NASU, Tokyo

© Ryan Gander

© Adagp, Paris, 2019

ANRI SALA

Another Solo in the Doldrums (Serpentine)

2011

Caisse claire personnalisée avec haut-parleur incorporé

Customized snare drum with inbuilt speeker

Montage audio / Sound editing and mixing : Olivier Goinard

Remerciement spécial / Special thanks : Sehring Audio Systems, Berlin

Fondation Ishikawa, Okayama

© 2011 Anri Sala

 

ANRI SALA

Answer Me

2008

Vidéo HD, couleurs, stéréo

HD video, color, stereo

4’51’’

ON KAWARA

Date Paintings

1994

Acrylique sur toile (ensemble de 12 peintures)
Acrylic on canvas (a set of 12 paintings)

Fondation Ishikawa, Okayama

Courtesy Musée national d’art moderne, Tokyo

HAROON MIRZA

Backfade_5, (Dancing Queen)

2011

Techniques mixtes

Mixed media

Fondation Ishikawa, Okayama

Courtesy Galerie Lisson, Londres

© Haroon Mirza

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