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特別講義:ナタリア・フックス (ニューメディア研究者、美術史家、キュレーター)
Art, Science and Technology in post-Soviet perspective
ポスト・ソビエトという観点におけるアートとサイエンス、
そしてテクノロジー


日時:2019年6月10日(月)18:30-20:00
場所:東京藝術大学音楽学部上野キャンパス大学会館2FGA講義室(キャッスルのある建物)

講演者:
ナタリア・フックス(ニューメディア研究者、美術史家、キュレーター モスクワ)

司会・討議者:
毛利嘉孝 (東京藝術大学)
タニヤ・シルマン (東京藝術大学)

主催:
東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科毛利嘉孝研究室
ポストメディア研究会

入場無料、予約不要、英語のみ(通訳はありません)

 

報告概要:

ポスト・ソビエトという観点におけるアートとサイエンス、そしてテクノロジー

ロシアと元ソビエト諸国のアート、サイエンスとテクノロジーの間の相互作用は、産業、経済、文化とコミュニケーションにおけるイノベーションの結果を検証してきた。
こうしたアーティスティックな調査は、非公式のアーティストたちやクリエイティヴな共同体によって行われ、彼らは、しばしばまだ見ぬ未来を集合的に想像するグループを形成したのである。

21世紀になり、ソビエトの時代のアート、サイエンスとテクノロジーは、メディア考古学的に考えると、ロシアにおけるアートとサイエンスに関する難しい存在論的問題のための美的フレームワークになっている。
アートとサイエンスの相互関係を見出し、領域横断的なコミュニケーションの有効性に焦点をあてるとことで、ポスト-ソビエト社会では、近年アート、サイエンスとテクノロジーの相互関係についての関心が特に公的な機関から高まりつつある。そしてこのことは、独立し、非妥協的なアーティスティックな生産を、現代の公式文化における政治的アジェンダと強く結びつけることとなった。

「ポスト・ソビエト時代の視点におけるからアート、サイエンスとテクノロジーの関係を分析することは、芸術実践の特定の役割が歴史の中で激変し、批評の価値がプロパガンダへとその衝撃が反転することを示している」―――メディア美術史研究者でヴィジュアルアートやニューメディアの領域を横断しながら国際的に活躍するキュレーターのナタリー・フックスがこうした問題について考察する。

 

ナタリア・フックス略歴:

ニューメディア、美術史の研究者。キュレーター、カルチャー・プロデューサー。
マンチェスター大学のカルチャー・マネージメントとオーストリアのダヌべ大学のメディアアート史の修士号取得。2009~2013年モスクワ国際映像祭のメディアフォーラムとアートフェア「VIENNAFAIR」の企画し、アート関係プラクティス組織である「ARTYPICAL」を設立した。2013~201年6モスクワ・ポリテクニーク大学のキュレーターとして「アルス・エレクトロニカ・エクスポート」との共同作業「Earth Lab」を含むいくつもの国際展示運営を行った。「Polytech.Science.Art」というプログラムはロシアの文化省の博物館教育プロジェクト賞を受賞している。

2016~2018年、モスクワの「National Centre of Contemporary Arts」の副ディレクターとマルチメディア部門の部長になり、「TECHNE」という革新的なアートプラットフォームを始め、2018年にMaurice Jones (MUTEK.JP)と一緒に「United Curators」を立ち上げた。2019年にチェコのデジタルアートシンポジウム「Input」の「Lunchmeat Festival」、「CTMフェスティバル」の「Persisting Realities」展と「The Work of Art in the Age of Artificial Intelligence」ワークショップのキュレーションを行う。

2017年からモスクワ大学でメディアアート史の教鞭を取り、2018年にサンクトペテルブルクのITMO (「Information Technologies, Mechanics and Optics」)大学でアートとサイエンスの授業を行った

現在にはドイツのZKM(「Open Codes」、 キュレーターPeter Weibel)のコンサルタントとロンドンのバービカン・センター(「AI: More Than Human」、 キュレーター内田まほろ)のアドバイザーである。メインの活動としてサンクトペテルブルクで現代美術と音楽の「Gammaフェスティバル」とアートとテクノロジーフォーラム「Gamma_pro」のプロデュースを行う。

実験的な実践として、メディアアートのキュレーションと教育以外に、自分のA/Vパフォーマンスとビデオアート制作を行っている。(「behaviors」Sonia Cillariとの共同制作2015、「Synaesthetic Symphony」2016)

 


この研究会は、平成29-32年度科学研究費基盤研究B「ポストメディア文化研究の理論構築:創造産業の日英比較を中心に」(研究代表者:毛利嘉孝、課題番号:17H02587)の研究活動の一環として開催されます。

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