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特別講義+セミナー:グローバル時代の芸術文化概論
ジョディ・ディーンを迎えて

現代の政治が直面している政治に対して精力的に発言し、ネットワーク社会における文化政治運動に大きな影響を与えている政治思想家で、ニューヨーク州のホバート&ウィリアム・スミス・カレッジ教授のジョディ・ディーンをお招きして、特別講義と特別セミナーを開催いたします。

ジョディ・ディーン教授は、ネットワーク社会における政治や資本主義がどのように変容し、その新しい条件の中でどのように共産主義や党が可能なのかを、政治理論や精神分析、ポスト構造主義、ポストモダニズム、そしてフェミニズム理論を踏まえながら議論してきました。特に『共産主義の地平線Communist Horizon』(2012年)は、「今日解放のための闘争に関わっている人すべてにとってまさに必要な書物」(スラヴォイ・ジジェク)であり、冷戦構造が崩壊した後の共産主義の可能性を論じた本として高く評価されています。2016年に発表した『クラウドと党Crowds and Party』では、ネット時代における「党」と階級闘争の可能性を示唆した書物として今日の政治をめぐる理論と実践に大きな影響を与えつつあります。

今回は、「コミュケーション的資本主義」をテーマにした公開講座と、「人新世(アントロポセン)におけるミュージアムの解放」というテーマの特別セミナーを開催いたします。

 

 


 特別講義
コミュケーション的資本主義:
自撮りと絵文字が今日のコミュニケーションについて私たちに教えること
Communicative Capitalism:
What Selfies and Emojis Teach Us about Communication Today

日時:2018年6月22日(金)16:20-17:50
場所:東京藝術大学上野キャンパス音楽学部 5-401教室

講演者:ジョディ・ディーン(ホバート&ウィリアム・スミス・カレッジ教授)
司会:毛利嘉孝(東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科教授)

言語:英語・日本語(逐語通訳)
主催:東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科、ポストメディア研究会

※どなたでも参加できます。予約不要。
※この講演は、平成29-32年度科学研究費基盤研究B「ポストメディア文化研究の理論構築:創造産業の日英比較を中心に」(課題番号:17H02587)の研究活動の一環として開催されます。

発表概要:
今日、私たちはイメージとともに話をしている。他者のイメージは、私たち自身の感情とコミュケーションをする。この講義では、このイメージと発話の新しい混交を「二次的な視覚性(ヴィジュアリティ)」として分析する。この「二次的な視覚性」はより広範な「コミュニケーション的資本主義」というより広範な文脈に位置付けられる。これは生産とコミュニケーションの双方を変容させている新しい資本主義の形式である。「自撮り」をミレニアルのナルシシズムにすぎないと片付けている議論に抗して、これを集合性に対する新しい潜在的な可能性として考察したい。

Today we speak with images. Images of others communicate our own feelings. This lecture analyzes this new blending of image and speech as “secondary visuality.” It places secondary visuality within the larger context of “communicative capitalism,” today’s new form of capitalism that has changed both production and communication. Against those who dismiss selfies as millennial narcissism, Jodi Dean argues that they suggest the potential of a new appreciation for collectivity.

 


特別セミナー
人新世(アントロポセン)におけるミュージアムの解放:
自然史博物館からのレッスン
Liberating the Museum in the Anthropocene:
Lessons from The Natural History Museum

日時:2018年6月26日(火)14:40-17:50
場所:東京藝術大学千住キャンパス 第3講義室

講演者:ジョディ・ディーン(ホバート&ウィリアム・スミス・カレッジ教授)
司会:毛利嘉孝(東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科教授)

言語:英語のみ(通訳はありません)

主催:東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科
※要予約(定員あり)

発表概要:
このセミナーでは、ブルックリンを拠点にするアートとアクティヴィズム・コレクティヴのNot An Alternativeの「自然史博物館」というプロジェクトを考察する。特にこのセミナーでは、このプロジェクトを制度批判と制度の解放という文脈から検討し、どのようにしてそれが「社会的に関与する芸術Socially Engaged Art」を越えているのかを考えたい。

This seminar will explore The Natural History Museum, a project of the Brooklyn-based arts and activism collective, Not An Alternative. It will situate the project in the context of institutional critique and institutional liberation, demonstrating how it moves beyond socially engaged art.

 


 


Professor Jodi Dean


Jodi Dean, The Communist Horizon (2012) Verso


Jodi Dean, Crowds and Party (2016) Verso

 

*この特別講義と特別セミナーに先立って、6月15日(金)16:20-17:50にジョディ・ディーンの著作と思想についての事前講義を本学毛利嘉孝が行います。関心のある方はお問い合わせください。

 

お問い合わせ:
東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科アートプロデュース専攻教員室
開室時間(上野): 10:00~18:00 (月・木・金)
電話(上野): 050-5525-2725
開室時間(千住): 10:00~18:00 (火・水・金)
電話(千住): 050-5525-2732
info-ga(at)ml.geidai.ac.jp

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