現代の東京では、街中で外国語が飛び交い、多文化が交差する日常が広がっています。この多様性に富む社会において、文化的アイデンティティも複層化しており、舞台芸術における多様性の表現を再考する必要性が高まっています。本シンポジウムでは、多文化協働の舞台芸術における多様性と共創の可能性について、実践者や研究者と共に考察します。

 

第一部では、発表者の「太陽劇団研究会」が、2024年7月にフランスで太陽劇団について調査したフィールドワークの成果を発表します。太陽劇団は、フランスの移民や難民と共に創作活動を行う世界的に有名な劇団です。この発表を通じて、日本の多文化舞台芸術への示唆と新たな問題提起を行います。

 

第二部では、日本で多文化の舞台芸術を実践的・学術的に考えてきた方々をお招きし、各自の経験や気づき、問題意識を共有します。第一部で提起された問題に対する応答や、これまでの活動で得た示唆、今後の日本における多文化舞台芸術の展開について議論します。

 

日時:2024年10月17日(木)18:10〜21:10
*直前まで別の授業を行なっているので、会場には17:50からお入りいただけます。
会場:東京芸術大学上野キャンパス音楽学部5号館109
料金:無料(要事前予約)
言語:日本語のみ(後日に記録レポートをウェブで公開する予定)
アクセシビリティに関するご要望やサポートが必要な方は、事前にご連絡してください。
予約方法:以下のお申込みフォームから事前予約をお願いいたします。
https://forms.gle/Mr4VkQ7N5afmpTWy7

 

第一部発表者情報
太陽劇団研究会
東京藝術大学院国際芸術創造研究科に在籍している、張藝逸(中国)、珍熙.(日本)、ガーダ ハディル ベン フレッジ(チュニジア)によって結成されたユニットです。

 

第二部登壇者プロフィール(50音順)
岡田利規(おかだ としき)
演劇作家、小説家、演劇カンパニー「チェルフィッチュ」主宰
その手法における言葉と身体の独特な関係が注目され、2005年『三月の5日間』で第49回岸田國士戯曲賞を受賞。2007年に同作で海外進出を果たして以降、世界90都市以上で作品を上演し続けています。様々な分野のアーティストとの協働を積極的に行うほか、2016年からはドイツの公立劇場レパートリー作品の作・演出を務めるなど、国際共同制作作品も多数手掛けています。

 

岸本佳子(きしもと かこ)
北千住BUoY代表/芸術監督。演出家・ドラマトゥルク・翻訳家
2009年より多言語劇団「空 (utsubo)」主宰。米国コロンビア大学芸術大学院ドラマツルギー専攻修了。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得満期退学。これまでに、東京大学、東京女子大学ほか兼任講師。2014年『林さん』作・演出にて芸創 connect vol.7 最優秀賞受賞。2017年に複合アートスペースBUoYを立ち上げ。以降、年間プログラム、全体のディレクションを担当。

 

滝口健(たきぐち けん)
ドラマトゥルク、翻訳者
1999年から2016年までマレーシア、シンガポールに拠点を置き、シンガポール国立大学よりPhD取得。国際交流基金クアラルンプール日本文化センター副所長、劇団ネセサリーステージ(シンガポール)運営評議員、シンガポール国立大学英語英文学科演劇学専攻リサーチフェローなどを歴任するとともに、多数の国際共同制作演劇作品にも参加。現在、世田谷パブリックシアター勤務。

 

企画:張藝逸(東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科長島確研究室)
共同企画:太陽劇団研究会、MUGAI
記録レポート:杉本温子
協力:東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科*東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科修了要件特定課題研究
技術協力:庄子渉