今日、文化芸術はどのように作られているのでしょうか。現代美術のキュレーション、地域社会とともに作り上げるアートプロジェクト、クラシックコンサートの企画、都市型国際芸術祭、社会やメディアなどそれぞれの専門家が、文化芸術のプロデュースの最前線についてリレー式の講義を行います。

担当講師 熊倉純子、箕口一美、毛利嘉孝、清水知子、長島確、鷲田めるろ、長谷川祐子

受講対象 文化芸術のプロデュースに関心のある方々(プロ・アマ不問) 

募集人数 100名程度

開講日時 全7回、下記木曜日18:00-19:30

2023年5月11日、5月18日、5月25日、6月1日、6月15日、6月22日、6月29日

開講場所 オンラインのみ

受講料 14,000円(全7回。1回のみの受講も同額。)

募集期間 2023年3月10日(金)-4月9日(日)募集は終了しました

【講師 /講義タイトル  /講義概要】

熊倉純子 「アートプロジェクトで地域社会の縁むすび  取手編」5月11日

市民がアーティストと共創するアートプロジェクトとはどんなものなのでしょうか?茨城県取手市で繰り広げられた「サンセルフホテル」(アーティスト:北澤潤)は、団地の一室がホテルに変身!ホテルマンの市民スタッフの様子を分析します。

鷲田めるろ「美術史の中の百瀬文」 5月18日

十和田市現代美術館で個展を開催中のアーティスト百瀬文は、コロナ禍における国家による規制と妊娠中絶の問題を扱った映像作品《Flos Pavonis》や「国際芸術祭あいち2022」での新作パフォーマンス《クローラー》など、近年次々と注目を集める作品を発表しています。セクシャリティやジェンダー、身体をテーマにしている作品が多く、その文脈で論じられることも多いですが、本講義では、十和田市現代美術館に出品中の作品を中心に、ルネ・マグリッドやヴィト・アコンチなどと比較しながら、百瀬を美術史の中に位置付けることを試みます。

毛利嘉孝「環境活動家はなぜ名画を狙うのか?:美術とアクティヴィズム」5月25日

欧米の美術館の名画が立て続けに、環境活動家のターゲットとして攻撃されています。2020年10月には環境活動家によってロンドン・ナショナル・ギャラリーではゴッホの《ひまわり》にトマトスープをかけ、ドイツの美術館ではモネの《積みわら》にマッシュポテトが投げつけられました。なぜ彼らは名画を狙うのでしょうか。美術館における政治運動やアクティヴィズムを歴史的に振り返り、彼らの活動の背景を探りつつ、美術と政治のあり方を考えます。

清水知子「人工知能と芸術の未来」 6月1日

近年のテクノロジー環境の変化は「芸術」という概念を大きく変容させつつあります。「THE NEXT REMBRANDT」プロジェクト、「エドモンド・ベラミーの肖像」、画家ダリの復活、あるいはジョイ・ブォラムウィニの《私は女じゃないの?》のように、AIが浮き彫りにする人種、ジェンダー的なバイアスを問いとして投げかける作品も登場しています。様々な作品を通して、メディア・テクノロジーの進展と人工知能による芸術の可能性と課題について考えます。

長島確 「できごとのアート」 6月15日

演劇、ダンス、音楽、オペラ、パフォーマンス、アートプロジェクトなど、それぞれはよく知られている表現のジャンルを、「もの」ではなく「こと」を作り出すアートとして俯瞰してみます。できごとを生み出す技術はどんな特性をもち、社会のなかでどのように機能してきたのでしょうか。

長谷川祐子「情報のキュレーション、体験のデザイン」 6月22日

キュレーションの対象は芸術作品から洋服や建築、家具、蔵書にいたるまで広汎に及びます。その本質は「情報」であり、例えば3次元の空間インスタレーション、2次元の絵画と映像では情報の質や量はそれぞれ全く異なります。「情報のキュレーション」は関係価値を形成するためのコンスタレーションをつくることです。それをどのように体験するのか、「体験のデザイン」もキュレーションです。それは世界を知ることであり、自分の鏡像としての世界を通して自分を知る過程の手助けとなります。そのしくみと例をお話しします。

箕口一美 「亜細亜コンサートホール巡礼」 6月29日

アジア各地でそれぞれに花開いているクラシック音楽文化を主要なコンサートホールを紹介しながら巡ります。次回の海外旅行に役立つ文化ツーリズムのヒントも添えて、クラシック音楽から観るアジアをご一緒に。

詳細及び最新の情報はHPよりご確認ください。

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【申込みについてのお問い合わせ】

音楽学部千住校地事務室 

050-5525-2727(土日祝休)

somu.senju@ml.geidai.ac.jp

主催:東京藝術大学大学院 国際芸術創造研究科