アーツ前橋
「加藤アキラ 孤高のブリコルール」

本研究科の住友文彦准教授が館長を務めるアーツ前橋にて開催中の展覧会を紹介します。

加藤アキラは、1960年代に前橋を舞台に活動した「群馬NOMOグループ」の作家として活躍しました。車の整備工として勤めるかたわら、作品制作を行っていた加藤は、アルミニウムやワイヤーブラシなど身の回りにある道具や素材を用いた作品で注目を集め、1969年には全国的に評価の高い新人が選出される「現代美術の動向展」(京都国立近代美術館)に選出されます。1970年に開催された「現代美術野外フェスティバル」(こどもの国、横浜)以後、いったん制作活動を休止しますが、75年に活動を再開。80年代に入り、竹などの自然素材、金属板と皮など有機的素材を用いた彫刻や大型インスタレーションを制作し、「アートドキュメント’87」(栃木県立美術館)、「’87現代美術の祭典 野外彫刻展」(埼玉県立近代美術館)などにも出品し復活ののろしを上げます。
以後、舞踊家・田中泯とのコラボレーション、宇都宮市内商店街を使ったアートプロジェクトへの参加や「第13回日本国際パフォーマンスアートフェスティバル」(前橋文化研究所)でのパフォーマンスなど創作活動の幅を広げてきました。
加藤は、身の回りで廃棄されていく日用品や自然の素材を寄せ集め、それらにわずかな細工を施す「ブリコラージュ」によって作品へと昇華させます。リノベーションやオーバーホールなどかつての物を再生させ、新たな価値観を付与することが求められる時代、日常に埋もれていく産業製品などに息吹を与える加藤の作品は、多くの示唆に富んでいます。群馬を代表する現代美術家のひとりとして加藤アキラの活動を総覧する初の展覧会をご高覧ください。

会期:2017 年3月18日(土)〜5月30日(火)
開館時間:11:00〜19:00まで(入場は18:30まで)
会場:アーツ前橋
休館日:水曜日 *5月3日(水)は開館
観覧料:一般500円(300円)/学生・65歳以上300円/高校生以下無料
*()内は10名以上の団体料金
*障害者手帳等をお持ちの方と介護者1名は無料
*トワイライト割(17時以降に来館された方)300円

プロフィール:
加藤アキラ Akira KATO
1937年群馬県高崎市生まれ。本名・昭。中学卒業後、車の整備工として働きながら松本忠義の画塾に入る。1965年「第1回群馬アンデパンダン」展に出品。群馬NOMOグループに加入。1966年「第10回シェル美術賞展」佳作受賞、1969年「現代美術の動向」展(京都国立近代美術館)に招待出品、「第4回ジャパン・アート・フェスティバル」優秀賞(通産大臣賞)を受賞するなど頭角を現していく。その後個展を中心に活動し「アートドキュメント’87」(栃木県立美術館)、「’87現代美術の祭典 野外彫刻展」(埼玉県立近代美術館)、1989年「RASENDO SPIRITUAL REJOICE 加藤アキラ 田中泯 立体作品と舞踏」(RASENDO、群馬)、1993年に「現代美術への招待―加藤アキラ・金井訓志展」(高崎市美術館)、第13回日本国際パフォーマンスアートフェスティバル[NIPAF](前橋文化研究所)、2010年「社会芸術”自力更生車+α計画”2010 in 宇都宮とその周辺」(宇都宮市内商店街)、2013年「アーツ前橋開館記念展 カゼイロノハナ」(アーツ前橋)など美術館から屋外のアートプロジェクトまで活動の幅は広い。

REPORT EA900 1966
アルミニウム、ワイヤーブラシ、塩化ビニル板、板 135×135cm
高崎市美術館蔵

主催:アーツ前橋
後援:上毛新聞社、朝日新聞社前橋総局、毎日新聞前橋支局、読売新聞前橋支局、産経新聞前橋支局、東京新聞前橋支局、日本経済新聞社前橋支局、共同通信社前橋支局、時事通信社前橋支局、群馬テレビ、FM GUNMA、まえばしCITYエフエム、前橋商工会議所

お問い合わせ:
アーツ前橋(群馬県前橋市千代田町5-1-16)
TEL:027-230-1144
http://www.artsmaebashi.jp